サイクリングの楽しみ
最近よくニュースになるのが、高齢者の交通事故です。
そこで、ある程度の年齢になると運転免許を返上しようという考え方が広まっています。
そうなると、増えるのは自転車人口です。
出来るだけ早い時期から自転車に慣れ親しんでおけば運転免許返上後も安心して自転車を利用することができます。
そういう意味でも、定年後の楽しみとしてのサイクルリングはおすすめです。
特に、シニアにとって素晴らしいことはサイクリングが有酸素運動だということです。
有酸素運動という意味ではジョギングやウォーキングも同じなのですが、サイクリングは爽快感が違います。
また、腸腰筋を鍛えるにも非常に効果的です。
腸腰筋は太股をもちあげる時に使う筋肉ですが、この筋肉が衰えると長時間歩けなくなったり、階段の上り降りが辛くなったりしていわゆるロコモティブシンドロームの要因になってしまいます。
ジョギングやウォーキングも腸腰筋を鍛えることができますが、サイクリングは足の持ち上げ方が大きく、スピードが早いので効果が大きいのです。
また、サイクリングでは足を持ち上げる時に、持ち上げる方向が真上になったり、少し左右にずれたりしながらバランスをとります。
この微妙な動きが腸腰筋をバランスよく鍛えるのに非常に有利なのです。
左右にバランスをとりながら前進しなければならないので、上半身の筋肉も使います。
特にハンドル操作で二の腕の筋肉をよく使います。
小石などを踏んで、おっとっとと言うタイミングでは、腕や背筋,腹筋を駆使してバランスをとります。
この動作こそが心身を若く保つために非常に有効なのです。
装備で身を守ろう
サイクリングはシニアにはとてもいいスポーツですが、一方で事故に巻き込まれやすいスポーツでもあります。
また、事故に巻き込まれなくても転倒のリスクは常につきまといます。
出来るだけ転倒しないように、もし転倒してしまっても軽い怪我ですむように装備を整えておきましょう。
まず重要なのは自転車のメンテナンスです。
ブレーキが緩くなっていると咄嗟に止まることができませんし下り坂は非常に危険です。
また、ライトの点灯テストも大切なことです。
夕方にはライトをつけた方が安心です。
サドルの高さは、一般的にはサドルにまたがって両方のつま先が地面につく程度にしますがシニアの場合には、両足でしっかり立てるレベルまでサドルを下げておきます。
サドルを下げると、どうしてもペダルが重く感じますがそれでしんどい距離や坂道は基本的に避けた方がいいのです。
頭はヘルメット、ひじ、ひざにはサポーターを装備しましょう。
運悪く転倒してしまっても、怪我を軽くすることができます。
また、スポーツドリンンクなどの水分補給の用意も大切です。
ルール違反は事故の元
サイクリングをする時に悩むのが道路の問題です。
手頃なサイクリングコースが近隣にある場合はいいのですが、なかなかそういう道はありません。
ついつい、川沿いや大きな公園内の散歩道で自転車にのることになります。
自転車禁止と明記されているところは当然、絶対に自転車で入ってはいけません。
生活道路になっているような場所では自転車も多くみかけますが、必ず歩行者優先だと心得ましょう。
速度を落し、追いこす場合にはベルをならしてから近づきます。
人通りが多い場合には、一旦下車して歩きましょう。
面倒でも、徐行、一旦停止、ベル、声がけなどをマメにしないと大きなトラブルになってしまう場合もあります。
一般道を走る時には特に注意が必要です。
交通法規をしっかり理解しておきましょう。
車の運転をする人なら分かると思いますが、自転車は車から見るととても危険な存在です。
法規を守って動かないと大事故を誘発してしまうこともあります。
サイクリングの装備や自転車のメンテナンスは慣れてしまえば、そう面倒なものでもありません。
ルールを守れば非常に楽しい趣味です。
サイクリングでバランス感覚や身体能力を鍛えておけば、自動車運転の能力も長く維持できますし、自動車運転を卒業したあともそれほど不便を感じずに生活できます。