退職後に夢を叶える
ワシが働いていた会社には、応接室、社長室、会社のエントランスなどに数枚の写真が飾られていました。
きちんと額縁にいれてあるので一瞬絵画のように見えますが写真です。
美しい色彩の抽象的な写真で、いかにも知的な感じがするモダンなものです。
ワシは、「作者は、無名だけれども若い才能のある写真家だろう」などと勝手に想像していました。
ところが、会社の古参社員の方に聞いたところ、何と作者はこの会社の社長のお父様だと言うことが分かりました。
社長のお父様ですから、今は御年80歳でを過ぎておられるはずです。
聞くところによると、この方は長年新聞社にお勤めで定年退職後に趣味として写真を撮っておられるそうです。
本来はカメラマン志望だったのですが、現実は営業畑を勤め上げて退職後に夢を叶えられたのだそうです。
年に2回お仲間と撮影旅行に出て、普段は専ら写真集を作るのに熱中しておられるそうです。
会社に飾られている写真は、撮影旅行でも海外へ行かれたもので、ご本人の思い入れの大きな作品のようです。
息子が、自分の会社を創立したお祝いの品なのです。
一目でスフィンクスと分かる作品や、砂漠の砂の模様を撮ったものなど、とても斬新でアートと言う言葉がぴったりの写真です。
息子さんである社長から言わせると、「無口で真面目が取り柄のおもしろくない年寄り」ということですが、この言葉にはちょっとした作戦めいたものがあるように思います。
なにしろ、社長がこの言葉を言うと、どの社員も「いいえ、素晴らしい才能をお持ちの立派なお父さんですよ。ホントに素晴らしい写真ですねえ。」と言う羽目になるのですから。
要は自慢の父親ということです。
自慢だからこそ、会社のそこここに作品を飾っておられるのです。
息子から自慢にされるなんて、実にいい趣味だと思いませんか?
お金をかけなくても楽しい
社長のお父様が勤めておられた新聞社はいわゆる大新聞なので、定年退職後の生活も豊かなものだったと思われます。
撮影旅行も海外や国内でも秘境めいたところが多いのです。
写真の趣味は、最初のうちはあまりお金をかけずに楽しむこともできますが、昂じてくると、どうしても機材、旅行、写真展や写真集などとお金がかかるようになってきます。
しかし、これも自分次第です。
別に旅行に行かなくても写真は撮れます。
写真集や写真展がなくても、自分で楽しむこともできます。
お知り合いのカフェなどに飾ってもらうことだってできます。
子供や孫の写真なら、あげてもとても喜ばれます。
近年は、大型テレビでスライドショーを楽しむこともできます。
家族のアルバムや旅行の写真などは、親戚や友人の集まりなどで大型テレビに大写しにすると大人も子供も老いも若きも楽しめます。
デジタルデータなら、一度撮った写真を何度でも無料で楽しむことが出来るのです。
写真学校で一気に上達
素人写真と言う言葉がありますが、ご本人がこの言葉を使う時には、これは謙遜です。
この言葉の反対後は、プロの写真ということで写真館で撮った写真や、プロカメラマンにお願いした写真です。
写真が趣味の人が撮った写真は素人写真には違いありませんが、長年写真を撮り続けている人の中にはいわゆる玄人はだしと言われる人もあります。
そういう、評価をうけている人はもちろんのこと、まだ何の評価も受けられない初心者でも、写真学校に行くと一気に腕が上達します。
プロ向けのコースは、毎日通学しなければならないことが多く、在職中に通うのは無理ですが、アマチュア向けのコースなら、夜、週二三回のコースがあります。たとえ週二三回でも習うと習わないでは大違いなのです。
もし、写真を一生の趣味と考えているなら、一度は写真学校の門をたたくことをお勧めします。
アマチュアでは分からないテクニックがあります。
そういうものを、覚えると写真の技術は一気に上達するのです。
授業料はプロ向けのコースは、さすがに簡単に決心のつく金額ではありませんが、アマチュア向けのコースなら、普通のおけいこごとより少し高い程度で習うことができます。
それに、アマチュアコースは長くても一年程度のコースが多いのでトータルで考えるとそれほどお高いものではありません。